不織布とは、繊維を織ったり編んだりせずに作られている布のことをいいます。不織布は熱処理を施したり、機械的に接着したりすることで生み出されています。不織布の1つにはフェルトがあります。フェルトは羊毛などの繊維に、蒸気や熱、圧力などを加えて縮絨させてシート状にしたものです。フェルトは保温性や弾力性に富む素材なので、敷物・スリッパ・帽子・アップリケ用布地など様々な商品に利用されています。フェルトにはほつれにくく、整形もしやすいという特徴があります。
不織布にはフェルト以外に工業的なものもあり、20世紀に入ってから製造されるようになりました。不織布に使用される繊維には、レーヨン・綿・アセテート・ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン・セルロースなど色々な種類があります。繊維の種類によってそれぞれ特徴が異なるので、目的に応じた繊維を使用します。用途によっては混合して使用する場合もあります。
不織布の特徴としては、布目がないので弾力性に優れていることが挙げられます。そのためほつれにくいですし、シワになりにくいという特徴もあります。それから線維がランダムに結合しているので、方向性を持たないというのも特徴の1つになります。複数の素材を組合わせるのも簡単ですし、厚みなどをコントロールしやすいのもメリットです。大量生産が可能なので、価格も割安になります。ただし、繊維を織って作っている布に比べると強度が弱いというデメリットもあります。