不織布とは、織らない布状のものを指します。布状のものは、織ったり編んだりしてつくるというのが普通です。不織布は、繊維を一定方向でランダムに集積することで、接着樹脂で化学的に結合させたり、機械的に絡ませたり圧力をかけた水流で絡ませたり、熱融着させたりして結合することで作りだします。
不織布の原料として用いられる化学繊維の一つがポリエステルです。ポリエステルは、一般的にPETと呼ばれています。ポリエステルは、不織布として使われる割合が非常に高い繊維になります。化学繊維の中でも加工がしやすい面があることからポリエステルを用いて布状にするのです。ポリエステルを不織布で使用する用途は、衣料にすることが多いですが、とくに防寒衣料の中綿として大量に利用されています。
不織布は、繊維をそのままシート状にすることが出来るので織物のように繊維を紡糸する必要がないのです。このため、編み物や織物に比較して低いコストでたくさんできることも利点となります。また、ろ過性、保温性、通気性があることから原料や製法の組み合わせをすることで様々な繊維をとしての機能を作り出すことが出来るのです。一方、織物や編み物より耐久性が低いので、何度も繰り返し使用するという用途には向いていません。ポリエステルを他の素材と合わせて使用したりラミネートなどの方法で強度を増して使用することが必要です。不織布ならではのコストの安さを活かして使い捨てに適している用途に幅広く使用されています。